Update: 2013/8/10
作品



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29  Sun Smile
 
 
2012.02.05
冬の太陽はほら 今ちょうど僕の真上で 僕の座るベンチを照らし 
海面をキラキラと輝かしている
海鳥は 海面に降り立っては すぐにまた飛び立っていくだろう
積み上げられた巨大ブロック石に 波は均一に打ち寄せている
打ち寄せる波音は 僕の揺り動く 鼓動のように 時折冬の風に吹かれて 
ゴォーゴォーとざわめいている
それでも 冬にしては暖かい休日の海
並べられたベンチの一つに腰かけ 僕は海を見ていた
その眼前の海を遮る 白と黒のフェンスは 事故防止なのか 自殺防止なのか
岸を離れた 遊覧船はもう僕からは 見えない所まで 進んでいったのだろう
僕はそんなに多くの海を見たわけじゃないけど
僕はここから見る海が好きだ
 
君は砂浜で無邪気に遊んでいる
幸せの星の砂を 座り込んで何度も救っている
砂の中から貝殻を拾い集めている
そのうち僕に気付いて駆け寄って来る
しばらく一緒に海を見ていたけれど
「遊んで来る」と君は駆け出して行く
君は僕のための 四つ葉のクローバーを探している
小さな手でひとつひとつの葉を確かめている
やがて諦めてシロツメグサを花束にして
僕にプレゼントしてくれる
君が幼い心で僕を気遣ってくれる
精一杯気遣ってくれる
Sun Smile 君がちょっとだけ微笑んでくれたなら
君が少しでも笑ってくれたなら
 
冬にしては暖かい休日の海
並べられたベンチの一つに腰かけ 僕は海を見ていた
その眼前の海を遮る 白と黒のフェンスは 事故防止なのか 自殺防止なのか
「夏の殺意的な強い日差しと違って 
冬の太陽は少しだけ優しい感じがするじゃない」
SunSmile 君がちょっとだけ微笑んでくれたなら
君が少しでも笑ってくれたなら
 




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