Update: 2013/8/10
作品



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2  June
 
 
2013.06.30
濡れる紫陽花
川伝いに進んだ
積み上げた石垣 水田のサギ
君の隣で見ていた景色
後ろから女の子がしきりに話しかけてくる
時が経っても
恋じゃなくなっても
愛ほど昂らなくても
ねぇちゃんと聞いてる 私を見てる
 
ギッシリと詰まったダリア
直立する杉林
山道を歩いた
道端の地蔵に手を合わせた
6月の花嫁じゃなくても
暮らしがきつくても
かまわないとおもった
君に幸せの全部をもらえると
おもってたわけじゃない
 
女の子は自分より濡らしたくないランドセルに雨具を着せ掛けた
無防備な男の子が走り出していく
雨は強くなっていく
あふれ出すほどの雨が降っている
削られた山肌が手つかずで残されている
 
次に問うのは国の在り方
次に問われるのは民意
次に問われるは私だ
 
休日の複合商業施設
あふれる人と物
何を求めているんだ
何に負けないために作り続けるんだ
巨大原発事故の後も
買い足していく暮らし
 
雨は弱まりながら降り続けている
混雑する店内
君を見失いそうになった
待って
小さな手に背中をつかまれた
 
 
 




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