客寄せで植えられた100万本の10月のひまわり畑
最終日を君と手をつないで歩いた
君はひまわりに手を伸ばして笑っている
君はひまわりに頬を寄せている
ひまわりの畑のおじさんは そんなに高くもない展望の丘
丹念に育て上げた ひまわり達を眺めている
皆さんはひまわりが太陽に向かって咲くと思っているんでしょうけれど
太陽に向かって向きを変えるのは つぼみの間で
花が咲いてからは もう向きを変えることはないんですよと
ひまわりのおじさんは 丹念に育て上げた10月のひまわりを見た
もう太陽の向きは関係なく 客の目を気にもせず
数の力でもない10月のひまわりが
君より背の高いのや低いのや 前を向いたり後ろ向きや
左や右向きの10月のひまわりが
あの日の強風で倒れたまんまのや 枯れてしまったのや
最終日だというのにつぼみのまんまの10月のひまわりが
何かに合わせて自分を変えることなく 迷うことなく 動じることなく
ただ美しくあろうとした10月のひまわりが
風に吹かれていた
最終日の夕暮れ
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