Update: 2013/8/10
作品



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10  12月
 
 
2012.12.24
糖度14度のみかんをかごに盛って リビングに置いた
君は爪の先を黄色くして 引き剥がした皮を積み重ねていく
小さな豆球を巻き付けて リボンと鐘とぬいぐるみ達まで吊るして 
ツリーに灯りをともした
君の座高位のツリーだけど てっぺんに星を載せて 君と仕上げたクリスマス
赤い衣装のサンタクロースが 白髭のサンタクロースが
私の家にも来てくれるのかな
たくさんの欲しいモノ達の中から 
私 サンタさんに 何をお願いしようかな
間もなく失ってゆく365の痛んだ日々に
ほんの少し浮かれてみたクリスマス
 
君が勾玉を磨いている 
手の圧で 白い勾玉が温まるくらいに力を込めて
君が小さな手で勾玉を磨いている
ママいつもありがとう 何度も書いてくれた言葉を添えて
君がくれた勾玉を 磨き上げられた勾玉を首から下げて
絶対に手放してはならないものを胸に刻んだ
サンタさんは来てくれるのかな
私の家にもサンタさんが来てくれるのかな
私の欲しいただ一つのものを あの大きな白い袋の中から 
間違えずに取り出して
私にも届けてくれるのかな
すでに失いつつある365の守りたい日々に
ほんの少し願いを託したクリスマス
 
信じて待っていたのは 君が必ずここに戻ってきてくれると思っていたから
君ががんばるでも がんばってねでもなく
がんばろうねって最後に言ってくれたから
君がいない痛みが 剥き出しの痛みが 
一つずつのシートで固定され ただ一人ずつが悲しみにうたれた12月
これからも失い続けるとしても365の積み上げていく日々に
君と求め続けた思いをもう一度引き寄せた12月
 
 
 
 




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